■ the Salvation ■


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は、スネイプの部屋に居た。

大好きな人と、過ごす時。

時間がゆっくりと流れ、とりとめのない会話が紡がれる。


は、幸せだった。

スネイプのことが、とてもとても、愛しかった。


スネイプの、笑顔。

決して明るいとは云えない、悲しみとも痛みともつかぬ翳りを帯びた、その笑顔。

それでも、静かに、ぽつりと、優しく微笑う。

そんな笑顔が、は好きだった。

それが、自分に向けられていることが、この上なく、幸せだった。




ある時、どうしようもなく自分がダメになって、は、もうダメなんです、と、スネイプに訴えた。

拙い言葉で、必死に、訴えた。


「 怖いんです、他人の気持ちは見えないから。私の所為で、どれくらい傷付いてるのか、

 分からないから。傷付けられることより、傷付けることが、怖いんです。 」



幼い、悩み。



スネイプはそれを、ずっと聞いていた。

が喋り終わるまで、黙って、ただ、聞いていた。


そして、静かに、言った。

静かに、微笑って、こう言った。



「 ・・・・・優しいのだな、お前は。 」



は、泣きそうだった。

胸が、いっぱいで、苦しかった。

指一本触れていないのに、まるで抱き締められているような、そんな気持ちにさせられた。




    優しいのは、先生のほう。

    いつも、救われるのは、私のほう。

    胸が詰まって、涙が出そうになるのは、

    こんなにも、先生が愛しいから ―――




ああ、好きな気持ちが大きくなると、悲しくなるのだ、と。

スネイプを好きになって、は知った。


こんなに近くに居られると云うのに。

大好きな笑顔はちゃんと、自分に向けられていると云うのに。


けれど、は、スネイプが、自分を愛してくれていることも、知っている。


スネイプが差し延べてくれる、手。

スネイプがくれる、たくさんの言葉。

それらがいつも、の支えになる。救いになる。


愛されているのだ、と、実感するとき、

愛しい、と、心の底から思うとき、

どうしようもなく幸せなのと同時に、どうしようもなく泣きそうになる。




部屋を流れる、ゆっくりな時間は、に、色んなことを考えさせる。

そんなの心を知ってか知らずか、スネイプは、この小さな恋人の言葉に、耳を傾ける。


やがて、静かになったな、と思って、ふと顔を上げると、はすやすやと眠っていて。

スネイプは、微笑しながら、を抱き上げ、そっとベッドへ運んでやる。


「 全く、手のかかる・・・ 」


そう呟くスネイプの顔が、どんなに穏やかなものであるのかを、

きっとが知ることは、ないのだろう。







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